科学哲学

ルペルト神父への手紙

以下はファイヤアーベントがルペルト神父宛てに書いた、現代のカトリック教会と科学に関しての書簡。 ルペルト神父殿 先日の木曜日のあなたのお話は、興味深く聞かせていただきました。私は二つの点で驚かされました。その一つは、<教会>が現在、科学の諸…

キリスト教哲学と科学論

偶像ばかりで鬱になるので、別の話題を(すべて繋がっているのだけど)。 稲垣久和という東京基督教大学教授の一つの論文のさらに一部を紹介。この記事のタイトルがその論文のタイトル。 筆者はこれまで、いわゆる「科学と信仰」というテーマで科学知識を所…

ゲシュタルト変換

以下は『新しい科学論』の1頁で、「ゲノムと聖書批判(3)」の最後に書いたことに対する参考の一つとして載せておく。 「今のわたくしどもには、屁理屈にしか聞こえないこの理解は、フロギストン理論を共有する共同体の中では充分説得的であり、かつ客観的…

天動説と進化論

聖書を神のことば、神からの啓示と考える私が、「聖書の記述と反するので進化論は受け入れられません」と言うと、それは中世における教会の間違いと同じ間違いを犯している、と言う人がいます。かつての教会が天動説(太陽が地球の周りをまわってる)を支持…

科学者の厚顔

「科学者は厚顔なのだ。彼らは事実が理論に合わないからといって、理論をおいそれとは捨てない。そういう場合彼らは、通常は、新しく救済用の仮説を案出して、理論に合わない事実を単なる一つの変則事例と呼べるようにしてしまった上でそれを説明してしまう…

科学哲学の簡単な紹介

創造論や進化論に関して、どんな問題があるのか、どんな議論がされてきたのか、ある程度知っている人は多いけれど、「科学哲学」についての知識がある人はまだ少ないように思う。 そこで、”ゲノム”批判の合間に、科学哲学の紹介を簡単にしていきたいと思う。…

啓蒙思想の聖書解釈への影響

以下は2年程前に創世記の学びを始める前にまとめたもの。−−−−−−−−− <創世記を読む前に>17世紀後半から、18世紀にかけて、啓蒙思想がヨーロッパで主流となる。 啓蒙思想というのは、暗いところを光で照らす、という意味。 「暗さ」はキリスト教の迷信。奇…

科学哲学

科学哲学についてのメモ。。。ちなみに、「科学哲学」というのは「科学とは何か」を扱う学問。日本人では村上陽一郎と野家啓一が第一人者だと思う。 特に『新しい科学論』は入門書としてとてもいい。 村上陽一郎『新しい科学論』 野家啓一『科学の解釈学』そ…