有神論的進化論反対の理由

ここで、なぜ有神論的進化論("theistic evolution"進化論を神が導いたという説)を受け入れることが出来ないと考えるのか、以下に理由を上げて整理してみる。


1.聖書の証言に反している。


・有神論進化論(以下「有進」)の立場では、人は進化した結果なので、いつから人と明確に言うことは出来ない。だから、アダムがはじめの人とは受け入れず、実在の人物だったとは考えていない。


→創世記には明確に、動物とは別に、神が、神のかたちとして人を形作ったことが、その経緯・詳細と共に書かれている。そのアダムが130歳で三男セツをもうけ、その後800年生き、930歳で死んだ(5:3ff)、と書かれていることも、偽りだということになる。


福音書において、その証言を否定することになり、パウロの手紙においては、アダムが実在しなければ、論理が成り立たない。


a)ルカによるイエス系図(4:38)
・「・・・エノスの子、セツの子、アダムの子、このアダムは神の子である」
b)パウロの手紙
・「ちょうどひとりの人(=アダム)によって罪が世界に入り、罪によって死が入り、」(ローマ5:12)
・「死は、アダムからモーセまでの間も、アダムの違反と同じように罪を犯さなかった人々をさえ支配しました。」(同5:14)
・「男は女をもとにして造られたのではなくて、女が男をもとにして造られた」(1コリント11:8)
・「アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによってすべての人が生かされるからです」(同15:22)
・「第一の人(=アダム)は地から出て、土で造られた者ですが、第二の人(=イエス)は天から出た者です」(同15:47)
・「アダムが初めに造られ、次にエバが造られた」(1テモテ2:13)


→「有進」は当然、女性がアダムのあばらから造られたなどと、ただのおとぎ話と考えるので、女性の存在、そして結婚の意味の根拠がなくなる。


「助け手を造ろう」「人から取ったあばら骨をひとりの女に造りあげ、その女を人のところに連れて来られた」「それゆえ男はその父母を離れ、妻と結び会い、ふたりは一体となるのである」(創世記2:18−24)


・さらに、イエスのことばを否定することになる。


「イエスは答えて言われた。『創造者は、初めから人を男と女に造って、【それゆえ、人は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となる】と言われたのです。それをあなたがたは読んだことがないのですか。それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません」(マタイ19:4ー6)




。。これで充分に思えるが、補足として他の理由もあげておく。


2.神論の問題


・神は何故はじめから完全な人の状態に造らずに、進化という方法をとらなければならなかったのか。完全な神が、不完全な状態を経由して、人を(あるいは動物を)造るだろうか。


3.神学的問題


・有進の場合、当然肉体の「死」は、神の造られた良いもの、と考える。アダムが罪を犯すずっと以前から、死は存在したと考えるから。しかし、上記にもあげたローマ5章14節前後には、明確に肉体の死について、それが罪に起因していることを書いている。
このことについてはイエスの肉体における復活と関わりがある。
(このことは重要なので、また別の機会に整理したいと思う)