今読んでいるもの

今読んでいる本もメモしておく。
前回レビューを書いた『ソフィーの世界』は万人受けするものだと思うし、誰が読んでも面白いと思うけれど、以下に挙げる本は自分の関心分野のものなので、本当に自分のメモとなるだけの価値しかないかも。


これは本のタイトルそのまま。現代科学論においておさえておくべき本が村上陽一郎をはじめとする7名によって紹介されている本。
序にあたる「編集にあたって」のところにその選定基準が書かれているのだけれど、まず「『科学』とは何か」ということころから書いていてとても面白い。
この本が紹介する12冊は以下の通り。

ホワイトヘッド『科学と近代世界』
バシュラール『否定の哲学』
シュレーディンガー『生命とは何か』
マンハイムイデオロギーユートピア
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論功』
ポパー『推測と反駁』
ハンソン『科学的発見のパターン』
クーン『科学革命の構造』
ファイヤアーベント『方法への挑戦』
サックレー『原子と諸力』
大森荘蔵『物と心』
広重 徹『科学の社会史』



上の著者の一人にもあげられているファイヤアーベント。
共約可能・不可能性−科学は累積し進歩していると言えるかということ−の部分に関心があり読んでいる。もちろんファイヤアーベントの結論は「進歩しない」ということだけれど、それを科学信仰を持つ一般現代人にどう分かり易く説明出来るだろうか。

“サイエンス・ウォーズ”というのは、科学哲学者vs科学者の戦いのこと。
日本ではあまり知られていないけれど、科学哲学者たちが「科学は絶対じゃない」「科学は信仰にすぎない」なんて言うもんだから(そしてそれは事実だけれど)科学者たちが「そんなことはない!」と、反撃に出たこと。


以上は科学哲学に関するもの。
以下は自然神学に関して。

マクグラス著の自然神学の本。彼は他の本にもちょくちょく自然神学には力を入れて書いていた。
マクグラスは確か生物学と歴史神学の専門だったので、この2つの分野−科学と歴史にはとても強い。
その得意分野を生かして自然神学を構築しようとする。でもこれは証拠的弁証法で、宣教の課題−接触点の問題としてとても強力だとは思うけれど、結局その方法論自体を聖書は支持しない、と自分は思う(この文章は牧師くらいしかわからないかな?)。

この本だけまだ手元にない..orz
改革派の立場からマクグラスのような自然神学を肯定する立場に反対した本だと思われる。
もう二週間くらい前に頼んだと思うんだけど、もしかして船便?


(追記2010.10.20)
"The Reformed Objection to Natural Theology"が今日届いた。ちゃんとair mailだったけど遅れたのは宛名が文字化けしてたからか。住所だけでイギリスからちゃんと届いた^^;
で、この本はレビューも読まずに買ったので、その書名からまさに改革派からの自然神学反対の本かと思ったら、どうやらその逆で、改革派の自然神学反対に反対する本−ようは自然神学賛成の本らしい。
どちらにしても論点が参考になるだろう。