本の紹介

ルペルト神父への手紙

以下はファイヤアーベントがルペルト神父宛てに書いた、現代のカトリック教会と科学に関しての書簡。 ルペルト神父殿 先日の木曜日のあなたのお話は、興味深く聞かせていただきました。私は二つの点で驚かされました。その一つは、<教会>が現在、科学の諸…

近代思想と神学−カント

ついでといったら何だけど、本の引用でカントの影響を少し紹介。 以下の考えを近代神学は受け入れ、キリスト教会主流派(リベラル派)ではほぼすべての人が、保守派・福音派を自称する人でさえもたぶん半数−つまりはキリスト者の8割以上?−がこういった考え…

今読んでいるもの

今読んでいる本もメモしておく。 前回レビューを書いた『ソフィーの世界』は万人受けするものだと思うし、誰が読んでも面白いと思うけれど、以下に挙げる本は自分の関心分野のものなので、本当に自分のメモとなるだけの価値しかないかも。 『現代科学論の名…

『ソフィーの世界』

このブログの主旨からはずれるのだけれど、本の紹介をメモがわりに残しておく。 。。3,4年前にブックオフで100円で買った『ソフィーの世界』を最近読み始めて昨日ようやく読み終えた。 この本はいってみれば古代ギリシア哲学から現代哲学−ダーウィン・フ…

キリスト者の世界観

「神のこと、人間の救いのことについて正統的理解を持っていても、会社のことや子供の教育のこと、男性と女性の地位と役割、性倫理や生命倫理、科学や技術、学問や芸術、などの事がらについては無神論的(実は異教的)学校教育やテレビ・ジャーナリズムなど…

ゲシュタルト変換

以下は『新しい科学論』の1頁で、「ゲノムと聖書批判(3)」の最後に書いたことに対する参考の一つとして載せておく。 「今のわたくしどもには、屁理屈にしか聞こえないこの理解は、フロギストン理論を共有する共同体の中では充分説得的であり、かつ客観的…

科学者の厚顔

「科学者は厚顔なのだ。彼らは事実が理論に合わないからといって、理論をおいそれとは捨てない。そういう場合彼らは、通常は、新しく救済用の仮説を案出して、理論に合わない事実を単なる一つの変則事例と呼べるようにしてしまった上でそれを説明してしまう…

科学哲学の簡単な紹介

創造論や進化論に関して、どんな問題があるのか、どんな議論がされてきたのか、ある程度知っている人は多いけれど、「科学哲学」についての知識がある人はまだ少ないように思う。 そこで、”ゲノム”批判の合間に、科学哲学の紹介を簡単にしていきたいと思う。…

科学哲学

科学哲学についてのメモ。。。ちなみに、「科学哲学」というのは「科学とは何か」を扱う学問。日本人では村上陽一郎と野家啓一が第一人者だと思う。 特に『新しい科学論』は入門書としてとてもいい。 村上陽一郎『新しい科学論』 野家啓一『科学の解釈学』そ…