科学哲学の簡単な紹介

創造論や進化論に関して、どんな問題があるのか、どんな議論がされてきたのか、ある程度知っている人は多いけれど、「科学哲学」についての知識がある人はまだ少ないように思う。
そこで、”ゲノム”批判の合間に、科学哲学の紹介を簡単にしていきたいと思う。

以下は野家啓一『科学の解釈学』から抜粋。

 自然科学の方法といえども超歴史的な妥当性と「価値中立的」な客観性をもつものではなく、歴史的・社会的に制約された一定の「認識関心」に導かれ媒介された行為であり、しかもそれは特定の時代の科学者共同体のコンセンサスに基礎を置く、という主張がそれ(科学哲学の主張)である。
 科学の方法を科学者共同体が営む<言語ゲーム>のルールと考えるならば、そのルールは明らかに規約的な性格をもち、しかもその妥当性は共同体の構成メンバーの間主観的合意に基づくものだと言わねばならない。(p41)

増補 科学の解釈学 (ちくま学芸文庫)

増補 科学の解釈学 (ちくま学芸文庫)